kobeoyaji's blog

神戸市在住の神戸大好きおじさんの日々の日記です。

「月と蟹」を読んだ


月と蟹を読んだ。



芥川賞をとった西村賢太の「苦役列車」か直木賞をとった道尾秀介の「月と蟹」とで迷ったが、なんとなく「月と蟹」を選んで読んでみた。

結果として、なんかつまらなかった。
というか、ずっと違和感を感じながら読んでいて、最後までその違和感が解放されないまま読み終えてしまったので、深く入ることもできず、つまらないと感じてしまったのかもしれない。

その違和感というのは、登場する3人の小学生の心理描写と時間の流れ。

男の子2人と女の子1人が主に出てくるんだけど、その3人が大人な子供。大人は大人でもめっちゃ大人な心理なので、小学生というのが読んでてほとんど感じられなかった。学校の場面が無ければ、ほぼ小学生とは思えない。小学生というより中学生、高校生でも良さそうな感じ。その方がしっくり来ると思う。小学生らしい行動が見えてこなかった。ヤドカリを焼くというのは、中学生や高校生や大人でも夏の海に遊びに来たらやってしまいそうな遊びだし、冒険心豊かな中高生なら車の後ろに隠れてみるというのも無くはないと思う。小学生でも確かに空気を読んだり大人な感情・心理を持っていることは確かにそうだが、それ以上にもっと無邪気で素直で、なにより幼稚なところってもっとあると思う。それがこの作品では感じられなかった。つぶやきシローの「イカと醤油」にも小学生出てくるが、その小学生の方が小学生らしさが出ていた。

各章内の節で場面が変わるところがあるが、そこの変化点で「数日たったんだなぁ」と感じられて読み進めていると、それは翌日のことだったり、日が変わっていないようなことが多々あり、何度か読み戻ったりして流れがつかめないことが何回かあった。これは僕の読解力の無さかもしれないが。

しっくりこない終わり方だったし、僕的には終始フワフワして、結局つまらないと感じてしまった。

月と蟹

月と蟹